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交通事故用語集:さ行

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遷延性意識障害(せんえんせいいしきしょうがい)

「遷延性意識障害」とは、俗にいう「植物状態」を指します。意識がないため言葉も話せず、身体を動かすことも出来ません。そのため、生命維持延命のための食事や排泄等には全面的な介護が不可欠です。日本脳神経外科学会の定義によれば、「植物状態」とは、
1.自力移動が不可能である。
2.自力摂食が不可能である。
3.し尿失禁状態にある。
4.眼球はかろうじて物を追うこともあるが、認識はできない。
5.声を出しても、意味のある発言はまったく不可能である。
6.目を開け、手を握れというような簡単な命令にはかろうじて応ずることもあるが、それ以上の意思の疎通は不可能である。
この上記6項目の状態が、医療努力によっても改善されずに3ヶ月以上続いたもの、と定義されています。

■関連ページ・・・判例事案

脊髄損傷(せきずいそんしょう)

「脊髄」とは、脳から背骨に添って延びている神経線維の束で、まわりを脊椎(せきつい)と呼ばれる骨に取り囲まれています。首の部分を「頚髄(けいずい)」、胸の部分を「胸髄(きょうずい)」、腰の部分を「腰髄(ようずい)」といい、それぞれの周りの骨は、頚椎、胸椎、腰椎と呼ばれています。脳から送られるさまざまな指令は、この「脊髄」を通って全身に枝分かれし、各神経に送られていくのですが、交通事故などによって強力な外力が加わり、脊椎に脱臼骨折がみられると、多くの場合、脊髄にも圧迫や挫創が起こり、その結果、脊髄も損傷されてしまいます。こうした状態を「脊髄損傷」と呼んでいます。

脊髄が損傷すると,その部位から下の神経線維に指令が届かなくなるため、随意運動や感覚が完全に失われたり(完全脊髄損傷/完全麻痺)、部分的に随意運動や感覚が失われたりする(不全脊髄損傷/不全麻痺)といった症状が出現します。たとえば、頚髄に損傷が発生すると、両上肢,体幹,両下肢、つまり全身に麻痺が発生します。これを「四肢麻痺」といいます。胸髄以下の損傷の場合、上肢は正常ですが、体幹や両下肢に麻痺が発生します。これを「対麻痺」といいます。つまり、脊髄の損傷部分が上部になればなるほど麻痺の範囲は広くなると考えてよいでしょう。

■関連ページ・・・判例事案
■同意語・・・頚髄損傷
■関連用語・・・中心性脊髄損傷

診療報酬明細書(しんりょうほうしゅうめいさいしょ)

「診療報酬明細書」とは、診察や手術、投薬や注射など、治療に要したさまざまな費用の明細が記されている書類で、「レセプト」とも呼ばれています。これを見れば、病院でどのような処置が行われたか、また治療費がいくらかかったのか具体的にわかります。

診断書(しんだんしょ)

「診断書」とは、医師が被害者の傷病名と治療の内容、また入通院の期間などを書いたもので、各種保険金の請求、また訴訟において必要となる書類です。

人身傷害補償保険(じんしんしょうがいほしょうほけん)

事故で被保険者が死傷した場合に、加害者の賠償責任の有無に関わらず、被保険者が自分のかけている保険によって、その損害を補償してもらえるという保険です。被保険者の過失に関係なく支払いが受けられるので、加害者からの賠償金が過失相殺によって過失分を差し引かれてしまった場合でも、その分を受け取ることも可能です。搭乗者傷害保険よりも補償の範囲が大きくなっていますが、ただし搭乗者傷害保険とは違って、加害者から過失相殺されない全面的な賠償を受けた場合にはこの保険金を受け取ることはできません。 加害者からもらう賠償金との関係については様々な説があって、現時点では確定しておらず、裁判においてもこの関係が争われることがあります。

車両保険(しゃりょうほけん)

偶然の事故によって契約車に生じた損害に対して支払われる保険です。

自動車運転者損害賠償責任保険(ドライバー保険)
(じどうしゃうんてんしゃそんがいばいしょうせきにんほけん)

運転者を1名限定して契約を結び、その契約者が他人名義の車を借用し運転して事故を起こしたときに支払われる保険です。対人賠償、対物賠償、搭乗者傷害など、必要な保険を組み合わせて契約します。ペーパードライバーには便利な保険です。ただし、自分や同居の親族名義の車などは対象外で すので気をつけてください。

自損事故保険(じそんじこほけん)

契約車の所有者や運転者などが、自らの100%の責任で起こしたいわゆる自損事故によって、死亡したり、後遺障害または傷害を被り、それによって生じた損害について支払われる保険です。一般的には単独事故のことを言いますが、被保険者側の過失割合が100:0の場合も含まれます。

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