判例: 遷延性意識障害
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両親の自宅介護への意欲と弁護士の努力で、自宅介護を認めさせた事例
被害者側の40%過失分は、父親の車に付保していた人身傷害保険で充当
■遷延性意識障害(判例019) ■画期的判例 遷延性意識障害 東京地裁 (和解) 被害者データ
15歳・男性
(高校生) |
認められた主な損害費目
(※弁護士費用及び遅延損害金相当額) |
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詳細
最も大きな争点となったのは、遷延性意識障害者の介護費用についてでした。在宅介護を強く望む被害者の家族に対し、相手側の損保会社は「自宅介護は認められない、住宅改造も不要だ」と反論してきたのです。そこで我々は、自宅介護に寄せる両親の並々ならぬ意欲と、主治医の意見をしっかりと主張したところ、裁判所は損保会社の主張を却下し、自宅介護を前提に和解案を提示することになりました。
まず将来介護料については、母親が働いていることを考慮し、職業介護日額2万4000円、家族介護は1万2000円。母親が67歳以降は、365日2万4000円が認められました。住宅改造費もこちらの主張どおり、約1700万円が加算され、結果的に総額3億3500万円(過失相殺前)という極めて高額の賠償額を勝ち取ることができました。 (東京地裁管内 和解)
増額のポイント
被害者が遷延性意識障害の場合、相手側の損保会社は自宅介護を認めようとせず、住宅改造費も不要という主張を展開してくるが、医師の許可さえおりれば裁判で自宅介護を認めることがスタンダードになっている。被害者と家族の人生を左右する大切な判断となるので、ぜひ、相手側の一方的な主張に屈することなく、納得のゆくまで闘っていただきたい。
本件の場合は、被害者側に一時停止義務違反があったため、結果的に40%の減額を余儀なくされたが、それでも、自宅介護が認められたことで、受取額は自賠責保険込みで2億円以上と高額になった。また、被害者の父親の車に人身傷害補償保険が付保されていたため、さらに原告側の過失分に充当することができた。