判例: 遷延性意識障害
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遷延性の59歳の主婦が1億8,000万円という高額賠償を勝ち取った例
病院での完全介護でも月額60万円以上の介護料が認められたケース
■遷延性意識障害(判例008) 裁判所認定額 約1億4,000万円 ■画期的判例 遷延性意識障害 さいたま地裁管内 (和解) 被害者データ
59歳・女性
(主婦) |
認められた主な損害費目
(※弁護士費用及び遅延損害金相当額) |
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詳細
ひとつめの争点は過失割合でした。
本件の場合は、相手車が優先道路だったため、基本的な過失割合から見れば原告側にも50%の過失がある事案でした。しかし、我々が現場で緻密詳細な検証を行った結果、相手側にもスピードオーバーなどの違反があったことが判明。それを立証した結果、原告側の過失を何とか20%まで減らすことができたのです。
もうひとつの争点は、介護料です。
原告は遷延性意識障害で症状が重く、完全看護の病院に入院して介護を受けていました。さらに、夫と娘は毎日病院に通い、献身的な家族介護を続けていたのです。入院費用は月額54万円かかっていましたが、我々はそれに加えて、家族の付き添い料として日額3,000円、そして付き添い交通費として月額2万円が必要だと主張しました。相手側の損保会社は「介護料が高額過ぎる」と反論してきましたが、かといって転院する先はなく、裁判所は我々の主張を全面的に認める和解案を出しました。
また、慰謝料も家族分を含め3,300万円というきわめて高額なものが認められました。家族の献身的な介護の実態が評価されたといえるでしょう。 (埼玉・さいたま地裁管内 和解)
増額のポイント
まず、過失割合を逆転できたことが一番の増額につながった。基本過失割合に甘んじず、しっかりと事故状況の検証を行うことが大切である。また本裁判では、相手側から「介護保険および福祉手当の控除が使えるので、介護料は減額されるべきである」と反論された経緯もあったが、我々は「将来の制度の予想は不可能である」と反論。結果的にその主張が認められた。