判例: 遷延性意識障害
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事故態様や損害費目の一つ一つを緻密に立証
飲酒運転の加害者に、多額の賠償を認めた画期的判決
■遷延性意識障害(判例005) ■画期的判例 遷延性意識障害 東京高裁 和解 【一審】千葉地裁 佐倉支部 被害者データ
37歳・男性
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認められた主な損害費目
(過失相殺なし) |
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詳細
知人の自動車をバックで誘導するために道路上に出ていた37歳の男性が、センターラインオーバーで走行してきた飲酒運転の乗用車にはねられ脳挫傷等の重傷を負い、遷延性意識障害及び四肢麻痺の後遺障害( 1 級 3 号)を負ったというケースです。この事件は、警察が至近距離にいた目撃者の証言を無視し、事実と異なる実況見分調書を捏造したり、破棄するなど、捜査機関として許されざる行為が行われていました。
一連の捜査に疑問を感じた被害者の家族は、弁護士の助けを借りて検察庁に異議を唱えるとともに、積極的に現場調査などを行い、結果的に捜査のやり直しが2度おこなわれるという異例の経緯をたどりました。その後、加害者は起訴され、実刑判決を受けています。
一審では自宅介護を前提に日額2万7,000円という高額の介護料を認定。さらに、「遷延性意識障害者は長生きできない」という被告(損保)側の主張を却下し、原告の余命期間(35年間)をすべて認めたため、総額3億円を越す高額判例となり、大きく報道されました。また、脊髄に刺激装置を埋め込む手術代約700万円や住宅改造費2370万円のほか、年額90万円の将来雑費などもほぼ原告の請求どおり認められています。なお、この裁判は高裁でほぼ一審判決に準じた内容で和解しました。 (千葉地裁 佐倉支部)
認められた介護料の内訳(一審)
母親が65歳まで | 母親が67歳まで | 母親が67歳以降 |
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家族介護・日額6,500円 | 家族介護・日額1万円 | 職業介護人・日額2万7,000円 |
※認定額のポイント(一審)
将来介護料は、母親が67歳以降、原告余命までの35年間、職業介護人日額2万7,000円を認め、合計1億 3,400 万円と高額になった。
男子平均賃金の8割を基礎収入とする逸失利益が全期間認められた。
住宅改造費は請求額の約9割、約2,300万円が認められた。
将来雑費は、年額90万円 ( 月額 7万5,000 円 ) を余命期間認められた。
車両改造費、介護用品代が請求どおり認められた。
本人の後遺障害慰謝料3,200万円と、両親の慰謝料600万円、合計3,800万円の高額な慰謝料が認められた。