判例: その他の後遺障害
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手首関節機能障害(12級6号)の元美容師に労働能力喪失率35%(9級相当)が認められた例
右手の機能障害が職場復帰において致命的であることを緻密に立証
■その他の後遺障害(判例021) ■画期的判例 その他の後遺障害 被害者データ
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認められた主な損害費目
※弁護士費用及び遅延損害金相当額 |
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詳細
通常、自賠責12級6号の労働能力喪失率は14%です。しかし、本件の被害者は事故によって利き手の右手首を損傷したことにより、美容師という仕事の存続を諦めざるを得ませんでした。その事実を考慮し、労働能力喪失率は9級相当の35%が妥当であると主張したところ、裁判所はそれを認め、35%の労働能力喪失率を就労可能な全期間において認めさせることに成功しました。
これにともなって、後遺障害慰謝料も350万円に引き上げられ、結果的に合計約3,400万円という高額賠償が認められました。ちなみに12級の場合、一般に1,700万円が平均的な金額です。また本件事故の態様の場合、自転車側の過失が4割とされるのが一般的でしたが、相手に乱暴な運転があったことを立証したところ、被害者側の過失割合は2割にとどめることができました。 (埼玉・さいたま地裁管内 和解)
■増額のポイント
右手が利かないということは、美容師にとっては致命的である。我々は被害者の悔しい思いに耳を傾け、右手関節の障害がいかに美容師業務の根幹に関わるかについて丁寧に立証していった。実は、我々は過去にも12級の障害を負った歯科医師の労働能力喪失割合を40%認めさせることに成功しており、今回はその裁判例も生かすことができた。労働能力喪失率は後遺障害等級に応じて決められているが、職業によって大きな格差が生じる場合がある。自身の業務と照らして不満や疑問を感じた場合は、諦めずにきちんと立証することで、より高額な逸失利益が認められる可能性もある。経験豊富な弁護士に相談することをお勧めしたい。