判例: その他の後遺障害
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実収入の低い被害者でも将来の見込みを緻密に立証して平均賃金を採用。顔面醜状の慰謝料も増額され異例の高額を勝ち取った事例
相手側の前方不注意を立証し、被害者側の過失はせいぜい10%であると反論。その結果、裁判所は被害者の過失は25%と判断。
■その他の後遺障害(判例010) ■画期的判例 その他の後遺障害 被害者データ
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認められた主な損害費目
※弁護士費用及び遅延損害金相当額 |
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詳細
まず争点となったのは基礎収入です。被害者の事故時の実収入が220万円だったため、相手側は実収入で計算すべきだと強硬に主張。さらに、骨盤骨の変形なら労働能力に影響はなく、仮に12級の労働能力喪失率(14%)を使うなら5年で計算すべきだという厳しい主張を展開してきました。それに対して我々は、今後被害者が主婦になる見込みがあることを緻密に立証し、あくまでも女性の平均賃金(340万円)を使うべきだと主張しました。
その結果、裁判所は我々の主張を認めたのです。
過失割合にも大きな争いがありました。事故現場は幹線道路だったため、相手側は被害者にも40%の過失があると主張してきたのです。それに対して我々は、相手側の前方不注意を立証し、被害者側の過失はせいぜい10%であると反論。
その結果、裁判所は被害者の過失は25%と判断し、相手側の主張をなんとか15%抑えることができました。ただし本件は、被害者が加入していた人身傷害保険を使うことを代理人らにおいてすでに交渉済みで、結果的に25%の相殺分も全額補償されました。 (東京地裁管内 和解)
増額のポイント
本件は症状固定までに時間がかかったこと、紛争処理センターでの話し合いがうまくいかなかったことから、事故から解決までに6年が経過していた。そうした経緯もあり、裁判所は20%という高額な調整金を認めてくれた。また、被害者には顔面醜状が残ったため、その点もしっかりと主張したところ、通常なら慰謝料は290万円のところ、400万円という高額が認められた。その結果、総額は2,000万円となった。これは12級としては極めて高額の特筆すべき金額だと言えるだろう。 なお、過失相殺分の約500万円は、本人の人身傷害で支払われたので、被害者は約2,000万円全てを獲得できたことになる。