判例: その他の後遺障害
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住み込みの板前が手首に障害。仕事への影響を丁寧に立証した結果、12級でありながら就労可能期間全ての逸失利益を認めた例
我々は板前という職業柄、手首の機能障害は今後の仕事に大変深刻な影響を与えることを丁寧に立証した
■その他の後遺障害(判例007) ■画期的判例 その他の後遺障害 被害者データ
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認められた主な損害費目
※弁護士費用及び遅延損害金相当額 |
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詳細
本件の原告は、板前として店に住み込みで働いていました。住み込みの場合、住居費や食費等も収入の一部と見られるため、まず第一に、逸失利益の基礎収入をどうとらえるかが問題になりました。相手側は実収入が少ないことを理由に、中卒の平均賃金430万円よりもさらに低い金額で計算すべきだと主張しましたが、我々は板前という職業柄、手首の機能障害は今後の仕事に大変深刻な影響を与えることを丁寧に立証した上で、男性の平均賃金530万円を使うべきだと反論しました。
その結果、裁判所は中卒の平均賃金で計算したものの、障害等級が12級でありながら就労可能期間42年間分全ての休業損害を認めたのです。12級の場合は、10年から12年しか認めないのが一般的なので、この点については大変評価されるべきでしょう。 さらに慰謝料も、傷害と後遺症合計で550万円という高額が認められました。過失についても、相手の20%主張に対し、我々はあくまでもゼロを主張。その結果、裁判所は10%と判断しました。 (東京地裁管内 和解)
増額のポイント
通常、12級の障害の場合、示談交渉では総額で7~800万円という提案がなされる場合が多いが、本件では訴訟にした結果、総額2,000万円(自賠責込)という極めて高額の賠償金が獲得できた。等級的には軽く見られがちな障害でも、それぞれの仕事に及ぼす影響の大きさを丁寧に立証することで、こうした高額が認められることもある。十分な評価をされるべき和解だと考えている。