判例: 高次脳機能障害
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画像所見がなく高次脳非該当とされた被害者に対し、裁判で高次脳7級(併合6級)を認めさせた画期的判例
高次脳機能障害の専門医の意見書、及び緻密なカルテ分析により意識喪失があることを立証
■高次脳機能障害(判例083) ■画期的判例 高次脳機能障害 被害者データ
24歳・女性
(会社員) |
認められた主な損害費目
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詳細
原告は、人格変化やコミュニケーション能力低下を中心とした高次脳機能障害があるとして、2度異議申立をしましたが、自賠責では画像所見なし・顕著な意識障害ないことを理由として、同障害を認めませんでした。
裁判で原告は、事故により14m程飛ばされて多発外傷(顔面を含む)や歯が脱臼したことから頭部が強い衝撃を受けたこと、事故前後の記憶が無く低レベルの意識障害があったことを、カルテ分析及び高次脳機能障害の専門医の診断及び意見書で緻密に立証しました。
結果、裁判所は、高次脳機能障害ではないという被告側医師の意見書を排斥し、交通事故によって高次脳機能障害を負ったことの因果関係を認めて、高次脳機能障害7級(併合6級)と判断し、約7,910万円の賠償と、事故から10年近くもの遅延損害金を認めました。 (愛知・名古屋地裁管内)
■増額のポイント
被害者本人と家族から状況を詳しく聞き取り、高次脳機能障害の専門医の診断を仰ぎ、高次脳機能障害があることを確信した。
高次脳機能障害の判定に当たり、①交通事故により脳外傷があること、②一定期間の意識障害があること、③高次脳機能が障害し日常生活が支障していること、の要件は欠かせないが、命を救うことを再優先する救命救急の現場において、生命にさほど影響しない軽度脳外傷は優先度が下がり、結果として高次脳機能障害が見逃されることもある。本事案は、自賠責の認定基準では①と②が認められなかった高次脳機能障害を、裁判上で認めさせた画期的な裁判例である。
また、事故から判決まで10年近くを要したことから、約3,500万円もの延滞利息が発生したことで、弁護士費用は十分充当することができ、原告に大きくプラスになることができた。
高次脳機能障害の専門医のご助力、当ネットワーク弁護士の医療知識と裁判力が奏功し好判決を得て、ご家族に大変ご満足いただけた事例である。