判例: 高次脳機能障害
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7級の高次脳で大卒平均賃金を全期間認めさせたケース
薬剤師という職種の専門性の高さを前提に逸失利益のとらえ方を緻密に立証
■高次脳機能障害(判例077) ■画期的判例 高次脳機能障害 被害者データ
20歳
(大学生) |
認められた主な損害費目
※弁護士費用及び遅延損害金相当額 |
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詳細
ひとつめの争点は過失割合でした。被告側は被害者のヘルメット着用が適切でなかったこと、右直事故の基本的過失が被害者にもあるなどとして、過失は50%を下らないと反論していましたが、結果的に5%に抑えることができました。
もうひとつの争点は、逸失利益のとらえ方です。原告は事故当時、薬学部に通う大学2年生で、将来は薬剤師をめざし順調に単位を取得していました。しかし、この事故によって高次脳機能障害を負い、学習能力の低下が顕著になってしまいました。症状固定時には大学4年に進級していましたが、現実には本人の懸命な努力と周辺の理解によりなんとか学生生活が続けられていたことや、実習の際にはケアレスミスが発生し、将来、薬剤師という人命を預かる専門職に実際に就くことが難しいことを、丁寧に立証・主張しました。その結果、7級でありながら、22歳から67歳までの全期間にわたって、大卒の平均賃金を認めさせ、慰謝料を合わせて計7,000万円の損害を認めさせることに成功しました。 (東京地裁管内 和解)
■増額のポイント
被告側の弁護士は途中で、原告の過失を30%にするという条件で約4,000万円の和解を提案してきたが、我々は、仮にその和解案のままで判決となっても損害額は5,000万円を下らないことを主張し、毅然とした態度で和解交渉に挑んだ。その結果、原告の主張どおり約4,600万円の損害が認められた。同年代の場合、仮にではあるが死亡の場合の損害額は約5,500円であることをかんがみると、7級としては極めて高額な解決ができたと言えるだろう。