判例: 高次脳機能障害
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事故から14年後に症状固定。高次脳5級の認定を受けた後、訴訟に至った事案
親、兄弟、妻の陳述書を提出し、高次脳の日常生活の大変さを緻密に立証
■高次脳機能障害(判例074) ■画期的判例 高次脳機能障害 被害者データ
13歳・男児
(中学生) |
認められた主な損害費目
(※弁護士費用及び遅延損害金相当額) |
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詳細
本件の被害者は13歳で事故に遭い、脳外傷を負いました。その後、継続的に通院しながらもなんとか学校を卒業。その後は親が経営する会社に就職し、結婚もしていました。しかし、家族はずっと事故の後遺症を疑っていたようで、事故から14年後、「どうも息子の様子がおかしい」と、HP経由で我々のところに相談に来られたのです。
早速、被害者本人と面談した我々は、高次脳機能障害の可能性が極めて高いと判断。すぐに、高次脳を専門に研究している病院を紹介し、そこで検査を受けていただいたところ、予想通り高次脳が確定しました。そして、その診断結果を元に自賠責に後遺障害の等級認定を行い、高次脳5級の認定を受けた後、民事裁判を起こしたのです。
まず争点となったのは、過失割合です。相手側は、「被害者の過失は50%を下らない」と主張しましたが、我々はせいぜい15%であると反論。その結果、裁判所は30%と認定しました。逸失利益については、労働能力喪失率92%を採用すべきであると主張しましたが、相手側は7級の56%が妥当であると反論。裁判所は、5級の79%を採用しました。現実に働いている点から、当方もこれは妥当と考えて和解しました。
また、将来介護料については、日額2000円が必要であると主張しましたが、相手側はあくまでも不要と反論。結果的に裁判所は日額1000円を認めました。この日額1000円も、働いていることからして相当と考えております。 (千葉地裁管内 和解)
増額のポイント
増額のポイントは、高次脳機能障害等級の認定にあった。我々は医療知識とネットワークを活用し、すみやかに専門医を紹介。さらに、高次脳のため、日常生活でいかに本人と家族が大変な苦労を強いられているかということを、親、兄弟、そして妻の陳述書を提出して、緻密な立証をおこなった。その上で、裁判所に将来介護料の必要性を認めさせ、相手側の主張を退けることに成功した。
本件は、事故発生から解決までに16年という長い歳月が過ぎていたが、金利等も勘案され、結果的に総額1億500万円という極めて高額の賠償を得ることができた。長年悩み、苦しんできた依頼者のご家族には大変ご満足いただけた事案である。