判例: 高次脳機能障害
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9歳で受傷した被害者の将来の可能性を主張し、高額な逸失利益を勝ち取った事例
日常生活や学校生活の困難さを陳述書にまとめ、介護の大変さを立証
■高次脳機能障害(判例073) ■画期的判例 高次脳機能障害 被害者データ
9歳・男児
(小学生) |
認められた主な損害費目
(※弁護士費用及び遅延損害金相当額) |
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詳細
被害者の男児はこの事故で高次脳機能障害を負ったため、小学校への通学が困難となり、事故から4年後の中学進学時には特別支援学校への入学を余儀なくされました。介護も必要な状況であったため、我々は将来介護料として日額7000円が必要であると主張しました。しかし、相手側は2000~3000円で足りると反論。議論の末、裁判所からは日額4500円の提案がありましたが、我々は、障害の重さからみて裁判所の提示金額でも低すぎると強く主張したところ、結果的に6000円が認められました。
逸失利益については基礎収入をどうみるかが問題となりました。事故時に小学生だった被害者の場合、将来に可能性があるため、我々は男性の平均賃金を使うべきだと主張したところ、裁判所はそれを認め、逸失利益は6800万円を超える高額となりました。
過失割合については、実況見分調書を精査した上で、被害者の過失はせいぜい10%にとどまると主張しました。しかし、相手側は男児の方に30%の過失があると反論。議論を重ねたものの、残念ながら裁判所は30対70と判断しました。 (東京地裁管内 和解)
増額のポイント
子どもの高次脳機能障害は、成長期でもあり、そのレベルをどう見るかという判断が難しいが、我々は両親や支援学校の関係者などから、日常生活や学校生活の困難さについて緻密な聞き取りを行い、介護の大変さを陳述書にして立証した。そうした努力が実り、3級としては満足のいく和解額が得られたといえるだろう。