判例: 高次脳機能障害
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両親の介護の苦労を緻密に立証し、3級の高次脳で2億円の和解が成立
修行中の低い実収入でなく、男子平均賃金が認められた事例
■高次脳機能障害(判例069) ■画期的判例 高次脳機能障害 被害者データ
30歳・男性
(会社員) |
認められた主な損害費目
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詳細
本件被害者は、事故後、高次脳機能障害の影響で人格が変わり、周囲の人に激しい暴力をふるったり自殺未遂をしたりと、介護にあたっていた両親は大変な思いを強いられていましたが、我々は家族の陳述書によって、日々の介護の大変さを立証。その結果、日額7,000円という、3級の一般的な水準を十分に上回る介護料を獲得することができました。
もうひとつの大きな争点は、逸失利益でした。被害者は大学卒業後一般企業に就職して大卒平均賃金程度を得ていたものの、事故の約5年前に会社勤めを辞め、以後事故当時まで有名な蕎麦店で将来の独立を前提に修行をしていました。修行中であっため、被害者の年収は相当程度下回った水準であり、また被害者は症状固定時には33歳に達していたため、相手方は「事故当時の実収入を基礎収入にすべきである。」と主張してきていました。
これに対して我々は、当該蕎麦店の協力を得て、修行を終えて独立した後の収入状況等も丁寧に主張立証して反論。その結果、裁判所は、事故当時の収入水準を大きく上回る男子平均賃金を基礎収入として認めました。 (東京地裁管内 和解)
増額のポイント
高次脳機能障害は外からは見えづらい障害だが、家族からしっかりとヒアリングし、陳述書にまとめることで、裁判所に介護の必要性を認識してもらうことが大切である。本件では、本人の症状と両親の介護の苦労を丁寧に立証した結果、3級でありながら、自賠責保険金込みで2億円という高額な和解金が認められた。