判例: 高次脳機能障害
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介護する母親にも『レスパイト』(休息)が必要だという我々の主張が認められた例
週に2日は母親に変わって職業介護人をつけたことで介護料が7,300万円に増額
■高次脳機能障害(判例063) ■画期的判例 高次脳機能障害 被害者データ
20歳・女性
(学生) |
認められた主な損害費目
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詳細
本件の被害者は事故後、多数回の手術を繰り返し、退院後は自殺願望も強く出現しました。そのため、家族は片時も目が離せず、大変辛い状況での介護を余儀なくされていました。
母親は専業主婦であったので、本来なら67歳までは職業介護人をつけずに計算されるところでした。しかし、我々は、母親にも自身の時間を確保する休息、つまり『レスパイト』が必要だという主張を行った結果、週に5日は母親が(介護日額6,000円)、2日は職業介護人(日額1万5,000円)が介護に当たることが認められ、2級としては高額の7,300万円という介護料を獲得することができました。
また、被害者は事故当時大学生でしたが、基礎収入は大卒女性平均賃金を使用。5%の調整金も追加され、合計1億8,000万円での和解が成立しました。 (千葉地裁管内 和解)
増額のポイント
たとえ親近者であっても、介護する側にも人生があり、休息や充電期間は不可欠である。『レスパイト』とは、「休息」という意味を持つ言葉で、最近では、『介護を要する障害者を一時的に預かり、家族の負担を軽くする援助サービス』としてよく聞かれるようになっているが、交通事故の訴訟においては、当ネットが中心となって介護者の「レスパイト」の必要性を主張した結果、本件のような介護の考え方が最近の判例で取り入れられることが増えてきている。
被害者とその家族の現実に寄り添い、緻密な立証を重ねてきた当ネットワークならではの考え方が裁判所に受け入れられ、ご苦労されている依頼者には大変感謝された事案である。