判例: 高次脳機能障害
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雇用の継続を理由に「等級を軽くすべきだ」とした被告主張を緻密な立証で完全排除
弁護士の丁寧なヒアリングで被害者の障害の現実を裁判所に理解させた例
■高次脳機能障害(判例062) ■画期的判例 高次脳機能障害 被害者データ
35歳・男性
(会社員) |
認められた主な損害費目
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詳細
原告は7級の高次脳機能障害を負いながらも、事故後、なんとか職場復帰を果たしていました。ところが、被告側は「雇用を継続している」という事実のみを取り上げ、自分たちの都合のよいように解釈。「7級ではなく9級相当が妥当だ」と、労働能力喪失率を低く見積もるべきだと反論してきました。
そこで、我々は原告とその家族にヒアリングを行ったところ、職場復帰はしたものの、本人は自宅に仕事を持ち帰るなど従来の3~4割り増しの労働をしており、雇用を維持するために相当の努力をしていたことがわかりました。また、現実にはそれでも仕事の評価がかなり低下しており、職場も事情を汲んで寛大な理解を示していたことがわかったのです。
我々は、こうした現実を本人と家族の陳述書で立証。その結果、裁判所は原告側の主張を全面的に認め、和解案の書面に「労働能力喪失率を低く認定することには慎重であるべきであろうと思われる」と明記。原告の主張通り7級での逸失利益が認められました。 (神奈川・横浜地裁管内 和解)
■増学のポイント
被告側の一方的な主張に屈することなく、我々は、「事故後も職場に復帰できたのは、本人の努力と周囲の理解があったからこそである」という点をしっかりと主張した。その結果、和解案には「職場の理解や原告の努力によって、これまではなんとかなっているとはいえ、原告の高次脳機能障害が就労に影響していないとは言えない」という具体的な文言が明記され、約5000万円という高額な逸失利益を含む、計6800万円の賠償が認められた。
また、調整金としては高額の900万円(3割以上)が追加され、結果的に原告に弁護士費用の負担は生じなかった。この点も、我々弁護士の努力が裁判所に高く評価された結果といえるだろう