判例: 高次脳機能障害
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目撃者を捜し出し「赤信号無視」(過失100%)の汚名を法廷で完全に逆転
実質5級の高次脳被害者に介護料日額2000円を認めた画期的判決
■高次脳機能障害(判例059) ■画期的判例 高次脳機能障害 被害者データ
41歳・女性
(主婦) |
認められた主な損害費目
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詳細
加害者は当初、「自転車側が赤信号で横断した」と供述していたため、この事故は自転車の主婦に全面的な過失があるとして処理されようとしていました。しかし、それを知った被害者の夫は「妻は赤信号を無視するような人間ではない」と強硬に主張。我々は、すぐさま現場に張り紙をするなどして情報提供を募ったところ、運よく目撃者が名乗り出て、被害者は青信号で横断中に事故に遭ったことを確信できました。
そこで、その事実を警察に通報し、目撃者の実況見分を実施。法廷ではこの目撃者による証言も実現しました。さらに、加害者への反対尋問では、信号の色に関する供述の矛盾を明らかにすることができ、結果的に被害者の過失は100%から0%に、つまり、完全逆転勝訴を勝ち取ることができたのです。
一方、被害者は併合4級ではありましたが、家事労働を一定程度行うことができていました。そのため、加害者側は「労働能力喪失率は50%以下である」と主張してきました。しかし、実際には高次脳の影響で、火を使用する際に危険があるなど、家事に相当な支障を生じていたことから、夫の陳述書などで日常生活について詳細に立証し、結果的に労働能力喪失率は80%認められました。 (東京地裁管内 和解)
増額のポイント
加害者は被害者が高次脳であることを逆手に、信号の色について虚偽の証言を行い、被害者に全面的な過失をなすりつけようとした。しかし、夫の執念と努力が我々を動かしたことで、目撃者の発見につながり、完全逆転勝訴という結果を勝ち取ることができた。
またパート主婦で労働能力喪失率80%、実質5級の高次脳被害者に、介護料日額2000円を認めたことも画期的である。