判例: 高次脳機能障害
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「症状は将来改善する」という相手の不当な主張を覆し、職業介護2万3,000円、家族介護8,000円という高額介護料を勝ち取った事例
裁判所は、ほとんど我々の主張どおり認め、介護料のみでも総額8,300万円という高額となり、さら慰謝料で計3,400万円という高額が認められました。
■高次脳機能障害(判例055) 裁判所認定額 約1億1,500万円 ■画期的判例 高次脳機能障害 被害者データ
68歳・男性
(会社社長) |
認められた主な損害費目
※弁護士費用及び遅延損害金相当額 |
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詳細
ひとつ目の争点は、基礎収入をどう見るか、という点でした。事故当時、被害者の収入は約130万円だったため、相手側はあくまでも実収入で逸失利益を計算すべきだと強硬に主張してきたのです。しかし実際には、税務上、所得を妻や家族に振り分けて申告していたという実態があったため、我々はそれを立証。年齢平均の370万円を使って計算すべきだと主張したところ、裁判所はそれを全面的に認めました。
もうひとつの争点は、介護料です。被害者は事故後、車椅子生活を余儀なくされ、高次脳の影響で人格変化も激しく、介護は大変でした。そこで我々はその大変さをしっかり立証し、職業介護料は日額2万5,000円、家族介護料は日額8,000円を主張。これに対し、相手側は「症状は将来改善するので、日額8,000円で十分だ」と反論してきましたが、裁判所は、ほとんど我々の主張どおり、職業介護2万3,000円、家族介護8,000円を認め、結果的に介護料のみで総額8,300万円という高額となりました。さら後遺障害慰謝料と近親者慰謝料で計3,400万円という高額が認められました。 相手側の不当な主張の大半を排除できたことにおいて、大変意味のある判決だったといえるでしょう。 (神奈川・横浜地裁管内)
■ 増額のポイント
過失について相手側は、「バイクがふらついていたので被害者側に30%以上の過失がある」と強硬に主張してきたため、我々は「ふらついていない」ということを懸命に立証し、過失はゼロと反論した。しかし、判決では被害者の過失を20%とられたことは残念だった。とはいえ、68歳で1億6,000万円という高額賠償となるのは極めて異例である。被害者の状況や介護の大変さを緻密に立証することで、将来介護料を十分に認めさせることができ、結果的に依頼者には大変喜んでいただくことができた。