判例: 高次脳機能障害
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被害者の障害の重さと幼子を抱えた家族の事情を緻密に立証し、高額な将来介護料を獲得した事例
本件は和解という早期解決でありながら、調整金として6,000万円というきわめて高額が認められた。
■高次脳機能障害(判例050) 裁判所認定額 約2億9,000万円 ■画期的判例 高次脳機能障害 被害者データ
28歳・男性
(会社員) |
認められた主な損害費目
※弁護士費用及び遅延損害金相当額) |
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詳細
対向車のセンターラインオーバーという不可抗力の事故で、幼い3人の子供を持つ父親が重い高次脳機能障害を負った、大変気の毒なケースです。
争点は逸失利益と将来介護料でした。
相手側は逸失利益を算出するにあたって、高卒平均賃金(492万円)を使うべきだと主張してきましたが、被害者は高卒であっても事故当時平均を上回る高額な収入があったため、我々は全年齢平均(542万円)での計算を主張しました。
その結果、裁判所は我々の主張を認め、それだけで逸失利益を約1,000万円引き上げることができました。
介護料に関しては、妻が幼い子供の養育に手がかかり、夫の介護が十分にできないということをしっかり立証した結果、平日は職業介護で日額2万円、土日は親近者介護で1万円、さらに妻が67歳以降は日額2万円が認められました。
また、被害者は車椅子を使用していたため、住宅改造が必要でしたが、この費用についても新築差額分1,042万円が認められました。 (東京地裁管内 和解)
増額のポイント
本件の被害者は高次脳の中でも特に重い障害を抱え、介護は極めて大変な状況だった。その現状を緻密に立証したことが、高額な介護料や住宅改造費の獲得につながった。
また、本件は和解という早期解決でありながら、調整金(弁護士費用と遅延損害金)として6,000万円というきわめて高額が認められた。これについても我々が、「判決になると遅延損害金や弁護士費用が膨大になる」ということをしっかり主張したことが、よい結果に結びついたといえるだろう。