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判例: 高次脳機能障害

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裁判所の和解案7600万円を、当ネット弁護士の頑張りで、3級にもかかわらず1億円にアップさせた事案

主治医の協力を仰いで詳細な意見書を提出し、裁判所には労働能力喪失率95%を認めさせました。

■高次脳機能障害(判例042)
裁判所認定額 約1億円
■画期的判例 高次脳機能障害

被害者データ 19歳・男性 (大学生)
■原告が原付バイクで交差点を進中、対向右折車と衝突 脳挫傷による高次脳機能障害(3級)と複視により併合2級 (大阪地裁管内)

認められた主な損害費目

逸失利益 約9,300万円
将来介護料 約2,000万円
将来治療費・交通費 約290万円
後遺障害慰謝料 約2,400万円
その他 約1,210万円
損害額 約1億5,200万円
過失30%控除後損害額 約1億 600万円
調整金※ 約2,000万円
総計
約1億2,600万円

既払控除 (含む自賠責2219万円)

▲約2,600万円
最終金額 約1億円

(※弁護士費用及び遅延損害金相当額)

詳細

 まず大きな争点となったのは、過失割合でした。
本件はいわゆる「サンキュー事故」というもので、右折車を先行させるために停止中の車がいたにもかかわらず、原告の原付バイクがその車を左側から追い抜いたために起こった事故でした。さらに原告側にはスピードオーバーやヘルメット非着用の違反もあったため、相手側は原告の過失が60%と主張してきました。しかし、我々は現場の状況などを詳細に調査し、相手側にも路外進入の過失があることを主張。その結果、原告の過失割合は右直事故の基本過失割合をもとに、30%まで下げることができました。

もうひとつの争点は逸失利益です。
原告は退院後、短期大学へ復学し、かろうじて卒業していました。相手側はそれを理由に、労働能力喪失率を85%にすべき、つまり、逸失利益は100%ではないと主張していたのです。しかし、復学したとはいうものの、現実には親のサポートなしには通学できず、暴言や暴力、自殺願望も高じ、日常生活にも支障をきたしていました。そこで、主治医の協力を仰いで詳細な意見書を提出し、裁判所には労働能力喪失率95%を認めさせました。また、相手側は将来介護料についても必要ないと主張してきましたが、我々は上記の状況を強く主張し、介護料を日額3,000円まで引き上げることに成功。さらに、逸失利益の基礎収入も短大卒の501万円ではなく、男性の平均賃金を使うべきだと主張し、受け入れられました。 (大阪地裁管内 和解)

増額のポイント

本件は、過失割合、逸失利益、介護料、全てにおいて激しい争いがあり、裁判所が出してきた当初の和解案(7,600万円)も被告側の主張をほぼ踏襲したもので、原告にとっては厳しい内容だった。しかし、我々は現場調査や主治医への面談など、徹底的な立証活動を行い、その結果、裁判所は、最終的に損害総額約8,000万円(自賠責2219万円を含めた既払金差し引き後)、さらに、事故から5年が経過していることを考慮して、調整金として2,000万円(25%)という高額を認めた。裁判所が初回にどんな和解案を出しても、こちらが筋の通った主張をすれば適正な金額が認められるという好事例である。また和解としては高額な調整金(弁護士費用・遅延損害金)が認められた例である。

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