判例: 高次脳機能障害
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高次脳の専門医の援助を得て、適切な後遺障害等級を獲得
裁判中に普通学級から特別支援学級に転校したことで、相手の反論を退けた
■高次脳機能障害(判例040) 裁判所認定額 約1億2000万円 ■画期的判例 高次脳機能障害 被害者データ
7歳・男児
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認められた主な損害費目
(※弁護士費用及び遅延損害金相当額) |
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詳細
子供の事故の場合、多くの親はわが子の回復を強く願うあまりに、後遺障害の適正な診断を受ける機会を逸し、裁判までに時間がかかってしまうケースがよく見られます。本件もそうした理由で時間がかかってしまいましたが、我々に依頼されてからすぐに被害者グループをとおしてリハビリ病院を紹介し、子供の高次脳に詳しい専門医の診断を仰ぐことができ、3級3号の後遺障害等級が認められました。そしてようやく訴訟提起という流れになったのです。
争点となったのは、逸失利益と介護料でした。
我々は将来介護料を日額4,000円、母親が67歳以降は6,000円が必要だと主張していました。それに対して相手側は、障害等級は3級ではなく5級相当、つまりもっと軽い障害であるため介護料は日額800円と反論。また「子供は回復する」という理由から、逸失利益も70%で十分だと主張してきました。そこで我々は被害者グループ紹介の専門医から適切な意見書をいただき、男児の障害の程度について緻密な立証を行った結果、裁判所は相手側の反論を却下。我々の請求をほぼ認めるかたちで高額の和解を成立させることができたのです。 (栃木・宇都宮地裁管内 和解)
増額のポイント
実は、裁判の途中で被害男児は、それまで通っていた普通学級から特殊支援学校に転校した。何とか普通学級を卒業させたいという父親の強い望みはあったものの、現実には事故による障害のため、学校内でいじめなど様々な問題が発生していたのだ。このときの判断にも、専門医の診断や進言は不可欠だった。結果的に特別支援学級に移ったことで、「普通学級に通っているから介護料は必要ない」といった相手側の反論を退けることにもつながり、本件訴訟において大きな成果をもたらした。高次脳機能障害の場合は、専門医による援助は今後も重要だといえるだろう。