判例: 高次脳機能障害
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大学生活の実態を細かく立証。付き添い介護料と逸失利益を認めさせた例 和解による解決でも、高額な賠償金を獲得できた事例
緻密な現場調査で相手の無謀運転を立証し過失割合も引き下げ
■高次脳機能障害(判例038) 裁判所認定額 約1億700万円 ■画期的判例 高次脳機能障害 被害者データ
16歳・男性
(高校生) |
認められた主な損害費目
(※弁護士費用及び遅延損害金相当額) |
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詳細
1つ目の争点は、過失割合。問題となったのは信号の色でした。相手側は自転車が黄色で進入したとして、自転車に4割の過失があると主張してきたのです。しかし我々は、相手が黄色信号を認識したという地点をもとに信号の色や速度を割り出し、相手側の無謀運転を立証。その結果、自転車の過失を2割まで下げることに成功したのです。 2つ目の争点は介護料と逸失利益でした。原告は高次脳機能障害を負いながらもなんとか大学に入学し、外見上は一般的な大学生活を送っていました。相手側は、大学に進学できたことを根拠に「介護料は不要である」と反論。さらに、卒業後は稼働も可能だとして、「逸失利益も必要なし」と主張してきたのです。しかし、現実には無試験で進学できる大学であったこと、また、実質上、大学の学生課のサポートなしでは通えないなどの事情があったため、我々がその点を緻密に立証した結果、裁判所は日額2,000円の付き添い介護料を認め、労働能力喪失率も95%と認定したのです。本件は和解で解決しました。裁判所は総額で9,000万円位を考えていましたが、介護料及び逸失利益の増額の立証に我々が力を入れた結果、総額1億700万円になりました。 (大阪地裁管内 和解)
増額のポイント
信号の色が争いになるケースの立証は困難だが、相手側の主張をこまかく検証することによってその矛盾点を突き、無謀運転を立証することに成功した。また本件の場合は、被害者が大学に進学したことが相手側の反論材料となっていたが、就学実態などを緻密に立証することで、高次脳機能障害者の日常生活の大変さを裁判官に理解してもらうことができ、結果的に高額な逸失利益と介護料が認められた。