判例: 高次脳機能障害
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3級の高次脳でも1万円の職業介護料と7,000円の家族介護料を認めた画期的事例
「子供だから回復する」という主張を日常生活の緻密な立証で覆す
■高次脳機能障害(判例037) 裁判所認定額 約1億7,900万円 ■画期的判例 高次脳機能障害 被害者データ
10歳・男児
(小学校5年生) |
認められた主な損害費目
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詳細
まず争点となったのは過失割合でした。
被告側は男児が飛び出したとして、4割の過失があると主張していました。しかし、現場にいた同級生の証言などを集めたところ、事故状況は飛び出しではなく通常の横断であったことが明らかになったため、その事実を裁判で立証。その結果、男児の過失は2割まで減らすことができました。
もうひとつの争点は介護料です。
被告側は、「被害者は子供なので、将来十分回復するはず」という理由で、介護料は不要と主張してきました。本人は事故後、養護学校に通学し、卒業後は福祉作業所に通っていましたが、実際には日常生活が手助けなしにはできない状況でした。そこで、その実態を緻密に立証した結果、高次脳障害3級でありながら、裁判所は職業介護1万円、家族介護7,000円を認めたのです。 (福島地裁管内)
■ 増額のポイント
当事者が子供の事故の場合、相手側は「飛び出し」と決めつけて主張してくる場合がよくある。本件においては、目撃証言などを丁寧に集め、事故の事実関係を立証することで、過失割合を減らすことに成功した。また、高次脳3級の場合は、「介護料ゼロ」という主張もよく見られるが、被害者の日常生活をきちんと立証すれば、高額の介護料も十分に認められるということが証明できた事案である。