判例: 高次脳機能障害
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等級アップと過失割合の逆転により高額での和解成立
母親の陳述書で障害の重さと介護の過酷さを緻密に立証
■高次脳機能障害(判例036) 裁判所認定額 約1億2,000万円 ■画期的判例 高次脳機能障害 被害者データ
19歳・女性
(大学生) |
認められた主な損害費目
※弁護士費用と遅延損害金(7年相当)を含む |
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詳細
受傷から訴訟まで7年という長い歳月を要した理由の一つとして、愛媛県という土地で、高次脳機能障害に詳しい医師や弁護士にめぐり合えなかったことが挙げられるでしょう。少し時間はかかりましたが、縁あって我々とめぐり合い、まずは自賠責に異議申し立てをして障害等級を3級から2級に修正し、それから損害賠償請求訴訟を提起した事案です。
まず争点となったのは、過失割合でした。古い事案で記録もすでにありませんでしたが、我々は事故現場を確認し、かすかなメモを頼りに立証を重ねた結果、原告の一時停止と加害者の不注意を立証。原則65対35の過失割合を何とか完全に逆転(原告35%)させることができました。
また、介護料は、近親者介護料日額8,000円と職業介護料日額1万円という高額が認められたほか、母親の陳述書などで高次脳機能障害が2級よりむしろ1級に近い重さであることを主張。その結果、和解でありながら、総額3,200万円(近親者400万円)という高額の後遺障害慰謝料も獲得することができました。 (愛媛・松山地裁管内)
認定額増加のポイント
依頼を受けた当初、原告の両親は、自賠責だけで終わるものと半ばあきらめ気味だった。しかし、我々が原告の障害の内容をよく理解し、後遺障害等級を1級上昇させたこと、さらに過失の大逆転にも成功したことで、損害額の大幅なアップにつながり、結果的に総額1億5,400万円という、思いのほか高額での和解が成立した。被害者が将来のある女子大生だっただけに、原告とご家族には大変喜んでいただき、感謝された。現在、このご家族は、愛媛県の重度障害者を結ぶ会に参加していただき、互助的な役割を担ってくださっている。