判例: 高次脳機能障害
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介護の実情の立証に成功。新築家屋の被害者利用分と高額介護料を獲得した例
事故から3年、和解でも弁護士費用や遅延損害金を十分に認定。
■高次脳機能障害(判例033) 裁判所認定額 約7,000万円 ■画期的判例 高次脳機能障害 被害者データ
65歳・男性
(会社員) |
認められた主な損害費目
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詳細
原告が市場内の横断歩道近くを歩いているとき、普通貨物車と衝突したという特殊なケースです。被告側は、「市場内なので、歩行者にも注意義務がある」として、原告にも1割の過失があると主張してきましたが、裁判所は原告側の主張を認め、「過失相殺なし」と判断しました。最も大きな争点となったのは、住宅の改造費と介護料でした。高次脳機能障害を負った原告は、意識はあり、家の中で多少のつかまり立ちができる状態でしたが、日中の大半は車椅子生活。介護は母親と息子が行っていましたが、そのためには自宅の改造が不可欠でした。そこで、原告の介護に住宅改造が必要かどうか、業者からしっかり意見を聞いたうえで緻密に立証した結果、住宅改造費については新築家屋分のうち原告利用分約800万円が認められました。新築家屋でも、被害者利用分に限っては総額認められる事例です。また、介護料についても、職業介護人の意見を聞き、詳細な見積もりを取って主張した結果、日額1万2000円という高額が認められました。 (福岡地裁管内 和解)
認定額増加のポイント
本件でもっとも苦労したのは、住宅改造部分が原告の介護に必要かどうか、という問題だった。この点については、リフォーム業者からしっかり意見を聞き、介護料についても同様に職業介護人の意見を十分に聞くなど、詳細な立証を試みた。また、事故から3年が経過していたため、和解でありながら、弁護士費用と遅延損害金総額で900万円(15%)という高額が認められた。