判例: 高次脳機能障害
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高次脳3級に随時介護を認め、週2日パート勤務の妻に職業介護を認めた
自動二輪車に乗る男性会社員(28)が道路を直進中、対向車線から駐車場に入るた...
■高次脳機能障害(判例017) ■画期的判例 高次脳機能障害 被害者データ
28歳・男性
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認められた主な損害費目
過失相殺40%控除後約1億1,000万円 |
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詳細
自動二輪車に乗る男性会社員(28)が道路を直進中、対向車線から駐車場に入るために右折した普通貨物自動車と衝突。脳挫傷等の重傷を負い、高次脳機能障害3級等、併合2級の後遺障害を負った事件です。
通常、自賠責保険の後遺障害3級は介護料を認めておらず、被告もそれらを理由として介護料の請求を否定しました。そこで、後遺障害によって夫の性格が変わり財産管理ができなくなったことや、食事から外出に至るまで、日常生活の随所で看視が必要であること等、詳細な妻の陳述をもとに介護料の立証に力を注ぎました。
その結果、週5日の家族介護、妻が週2日のパートに就く間の職業介護を認める画期的な介護料の認定となったのです。高次脳機能障害3級でも介護が必要である場合は、その障害の程度や家庭事情に応じた介護料を求めて立証することが必要です。
本件では、妻が介護のために仕事を辞めざるを得なくなった状況などを考慮して、近親者慰謝料200万円が認められたことも評価できるでしょう。 (東京地裁管内)
介護料の内訳
・妻が67歳まで | ・妻が67歳以降原告の余命まで | |
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週5日 | パート週2日 | 年間365日 |
家族介護日額 6,000円 | 職業人介護日額 1万850円 | 職業人介護日額 1万850円 |
※認定額のポイント
男子大学卒同年齢平均賃金を基礎収入とする逸失利益を全期間認められた。
本人の後遺障害慰謝料約2,300万円、妻の慰謝料200万円と、合計2,500万円の慰謝料が認められた。