判例: 高次脳機能障害
トップページ ≫ 獲得した画期的判例 ≫ 判例:高次脳機能障害 ≫ 判例:第2級 ≫ 判例016
高次脳の新基準に基づき自賠責に異議申し立て
等級上昇後の損害の立証に成功した好事例
■高次脳機能障害(判例016) ■画期的判例 高次脳機能障害 被害者データ
64歳・男性
|
認められた主な損害費目
過失相殺10%控除後 約9,200万円 |
---|
詳細
64歳の男性が信号機のない交差点を歩行中、交差点に進入してきた普通貨物車に衝突され、脳挫傷、外傷性くも膜下血腫などの重傷を負ったというケース。ちょうど自賠責に高次脳機能障害の新しい等級基準や認定システムが確立されたこともあり、異議申し立てを行なった結果、等級が併合1級(高次脳機能障害2級3号)に上昇したというケースです。
被告は、被害者の後遺障害を「悪くても7級。意図的に重くしようとしたものだ」と主張してきましたが、原告は、医師の意見書などを添え、綿密な立証をおこないました。
その結果、裁判所は、各種検査結果や医師の所見などをもとに、「原告の精神能力は1年以上経過しても明らかに低下しており、原告に特別の既存障害がない以上それは本件事故による後遺障害と捉えるのが相当である」と認めました。
異議申し立てにより後遺障害等級が上がった事案の損害を適切に立証できたケースだといえるでしょう。 (神奈川・横浜地裁管内)
※認定額増額のポイント
将来介護料は、被害者原告の平均余命である17年間について日額6,000円×365日が認められた。
逸失利益について、事故がなければ定年退職後の再雇用等の可能性があったため実収入の7割を基礎収入として認められた。
慰謝料は後遺障害慰謝料約2,500万円の他、妻に200万円、成人した2人の子に各50万円、合計2,800万円が認められた。