判例: 高次脳機能障害
トップページ ≫ 獲得した画期的判例 ≫ 判例:高次脳機能障害 ≫ 判例:第1級 ≫ 判例015
1級の高次脳となった43歳主婦を夫が介護
緻密な立証で高額な介護料と慰謝料を認定
■高次脳機能障害(判例015) ■画期的判例 高次脳機能障害 被害者データ
43歳・女性
|
認められた主な損害費目
過失相殺なし |
---|
詳細
43歳の女性(有職主婦)が小型貨物車で一時停止中、飲酒運転の乗用車が右折を誤り衝突。女性が脳挫傷による高次脳機能障害(1級3号)の障害を負ったケースです。女性には当時、高3と中2の男子がおり、会社員の夫は妻の介護や家事のため、残業ができなくなりました。
裁判の争点となったのは、介護料と慰謝料でした。夫は実際に職業介護人の手を借りながら妻の介護を続けていましたが、現行の状態では、肉体的・精神的に相当な負担があり、年齢からみても長期間にわたって夫のみが介護できるとは思えないと主張。介護の重さを十分に立証していきました。その結果、介護料はほぼ原告の主張どおり、全期間にわたって日額1万8,000円が認められました。
また、被害者の症状が重く、それによって家庭がばらばらになってしまった現状をかんがみ、近親者慰謝料合計1,000万円を含み、合計3,800万円という高額な後遺症慰謝料が認められました。その他、将来医療費や将来雑費(おむつ代など)も、約1,000万円という高額になりました。丹念な立証が効力を発揮した好事例です。 (東京地裁管内)
※認定額増額のポイント
介護料は、職業介護人日額18,000円×365日、原告の余命期間が認められた。
慰謝料は、後遺障害慰謝料2,800万円のほか、夫に400万円、2人の子に各200万円、被害者の実父母に各100万円で、合計3,800万円が認められた。
将来雑費は、緻密な積算を立証したことにより、年間2万8,000円が余命期間認められた。