判例: 高次脳機能障害
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母親が将来働ける可能性を考慮。職業介護人の必要性を認めた例
介護者の働く権利を主張して、介護料を算出
■高次脳機能障害(判例005) 裁判所認定額 約2億500万円 ■画期的判例 高次脳機能障害 被害者データ
19歳・女性
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認められた主な損害費目
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詳細
被害者側が「憲法論」(女性の働く権利)を強く主張した結果、裁判所がそれを全面的に認め、母親が将来職場に復帰した後の職業介護を認めたという画期的なケースです。
事故当時、被害者の下には1歳の弟がおり、母親は一時仕事をやめて子育てに専念していました。被告側はその状況から、母親による介護を前提として低額の将来介護料を算出していましたが、母親は弟が保育園に入る年齢になったら仕事に戻るつもりでいたため、職場復帰以降は、職業介護を希望したのです。
裁判官はその主張を認め、結果的に下図のようなかたちで、弟と母親それぞれの年齢に応じて介護のスタイルと職業介護人の関与の仕方を分けました。母親だから一生涯子どもの介護に専念しなければならないということはありません。働く権利を主張すれば、こうしてきちんと認められるのです。 (千葉地裁管内)
将来介護料の内訳と計算の仕方
被害者の弟が6歳まで(5年間) | 日額8,000円(家族介護) |
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被害者の弟が7歳から(23年間) | (家族介護+職業介護)÷2=日額1万800円 |
母親が70歳以降(34年間) | 日額1万3,600円(職業介護) |
※認定額増加のポイント
介護者である母親の就労機会を損ねないために、事故より5年後、職業介護1万3,600円と家族介護8,000円の併用を平均して、日額1万800円の将来介護料が認められた。
将来介護雑費を月額3万5,000円認められた。