判例: 高次脳機能障害
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信号の色をめぐる証言を高裁で検証し逆転
高齢者にも休業損害と逸失利益を認めた事例
■高次脳機能障害(判例003) 裁判所が認定した介護料 損保提示額0円 → 認定額 約3,700万円 ■画期的判例 高次脳機能障害 被害者データ
78歳・女性
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認められた主な損害費目
▲過失相殺15% |
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詳細
日没後、交通量の少ない片側二車線道路を歩行横断中の女性( 78 歳)が、普通貨物自動車に衝突され、3級3号の高次脳機能障害、歩行困難などで併合2級の後遺障害を負ったケースです。
本件は「信号が何色だったか」、ということが過失割合の認定において大きな争点となりました。一審では、加害者の自己防衛的な供述や目撃証言が採用され、歩行者の過失は60%とされました。しかし、2審では調書に書かれた目撃証言のあいまいな内容を検証するとともに、貨物車の運転者が10ヶ月近くも無保険車を乗り回していたことなどから、運転者の証言には信用性がないことを指摘。結果的に、歩行者の過失を15%に逆転することができました。
また、被害者が高齢で一人暮らしだったにもかかわらず、別居中の娘のための家事手伝いを認定し、「家事従事者」としての休業損害と逸失利益が認められたことも画期的だといえるでしょう。 (栃木・宇都宮地裁管内)
※認定額増加のポイント
脳外傷3級(併合2級)で、介護費用は、職業介護人(週5日・約8万円)、家族介護(日額6,000円)の計算で平均余命10年分が認められた。
後遺障害慰謝料は、自賠責等級・2級該当分が認められた。
逸失利益は、平均余命の半分である5年間に、65歳以上平均賃金100%認められた。
過失割合が一審の60%から、東京高裁で15%に減らされた。