判例: 高次脳機能障害
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高次脳機能障害者の高額介護料を初めて認めた画期的判決
母親が職業を持っていたので、平日のみ職業介護人の必要性を主張
■高次脳機能障害(判例001) 裁判所認定額 約2億300万円 ■画期的判例 高次脳機能障害 被害者データ
11歳・男児
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認められた主な損害費目
過失相殺▲10% |
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詳細
一審判決(H4)で過去最高の賠償額が認定されたこの事件は、その後の後遺障害裁判の流れを大きく変えました。認定額が跳ね上がった理由は、「介護料の大幅な増額」が認められたからです。
介護料はそれまで「寝たきり介護」のみを想定していましたが、この裁判で被害者側は、動くことのできる神経系統障害者の危険性と、社会適応不良による「看視」の必要性を主張。「看視も介護と同一視できる」ということを裁判所に認めさせたのです(当時は高次脳機能障害という概念がありませんでした)。
また母親が職業を持っていたため、平日は職業介護人の雇用(日額1万6,800円)が必要であることも主張。下図のように母親の年齢に応じて将来介護料を細かく算出したところ、最高裁が初めて認めました(H5)。この判例は社会実勢に見合う高額介護料認定の突破口となり、今も一つの基準となっています。 (東京地裁管内)
将来介護料の内訳と考え方
この判決以前は通常、4000円×365日=146万円で計算されていたが…
↓ 最高裁の判決は、将来介護料
↓ 最高裁の判決は、将来介護料
母親が60歳まで
459万4,500円(年額)
1万6,800円(職業介護人)×240日(平日)=403万2,000円
4,500円(家族介護)×125日(祝休日)=56万2,500円
母親60歳で退職後10年間
4,500円×365日=164万2,500円
母親が70歳以降は職業介護人
1万6,800円×365日=613万2,000円