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遷延性意識障害

過失40%ながら総額約3億3,000万円の高額解決(遷延性意識障害1級・16歳)

日額3万円の将来介護料を認定

■遷延性意識障害(判例031)
■後遺障害等級:1級 確定年:2015年 和解
■東京地方裁判所管轄内

被害者データ 16歳 ・男性 (高校生)
男性 高校生(事故時16歳、症状固定時18歳)
交差点における原付自転車(被害者)と自動車(加害者)の直進車同士の事故
遷延性意識障害1級

認められた主な損害費目

治療費

約900万円

傷害慰謝料

約450万円

逸失利益

約9,620万円

後遺障害慰謝料

約3,000万円

将来介護料

約1億8,430万円

住宅改造費

約1,050万円

介護機器等購入費・介護雑費

約3,450万円

成年後見関係費用

約410万円

近親者慰謝料

約600万円

その他

約720万円

損害額

約3億8,630万円

過失相殺40%控除

-約1億5,450万円

任意保険金控除

-約790万円

自賠責保険金控除

-約4,000万円

*1)調整金

約4,610万円

最終金額

約2億3,000万円

*1)調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当
*2)自賠責保険金4,000万円,人身傷害保険金6,120万円を加えて,総額約3億3,120万円を獲得した。

詳細

加害者の主張

①本件事故時の信号は,被告黄色信号,原告赤信号であるから,赤信号で進入した原告に70%の過失が認められる。
②交通賠償実務における将来介護料は,日額8,000円として定額化が図られており,本件もその範囲内において認定されなければならない。

裁判所の判断

①目撃者供述等から,信号の色は,被告主張のとおり原告赤:被告黄色であり,赤信号無視による原告の過失は大きい。他方で,被告の側も,黄色信号とは言え,赤信号に変わる直前の進入であったこと,20㎞以上の速度超過があったことという重大な過失が認められるから,原告の過失は40%にとどまるというべきである。
②被害者は,寝たきりの状態であらゆる日常生活に全面的な介助が必要であること,言語機能にも障害があり意思疎通不可能であること等を勘案し,近親者・職業介護人併用期間につき日額2万5,000円,職業介護人の利用期間につき日額3万円の将来介護料を認める。

当事務所のコメント/ポイント

本件は,被害者側の過失が40%と小さくはない事案であったが,総額約3億3,000万円の高額な賠償金を獲得することができた。
このような高額な賠償金を獲得できたのは,まず,当方の赤信号無視ながら,被告の速度超過等を主張し,過失を40%に抑えるという成果を出せたことがある。
また,将来介護料についても,職業介護人の利用期間につき日額3万円という極めて高額な賠償金が認められ,この点も特筆すべきものである。
いずれも当事務所が妥協をせずに徹底的に主張・立証を積み重ねた結果と言える。

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