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上下肢切断・機能障害他

住み込みの板前が手首に障害。仕事への影響を丁寧に立証した結果、12級でありながら就労可能期間全ての逸失利益を認めた例

我々は板前という職業柄、手首の機能障害は今後の仕事に大変深刻な影響を与えることを丁寧に立証した

■上下肢切断・機能障害他(判例007)
■後遺障害等級:12級併合12級 確定年:2009年
裁判所認定額 約1,750万円
■東京地裁管内 (和解)

被害者データ 24歳 ・男性 (住み込み職人)
■原告が自動二輪で直進中、路外施設に向かうため右折対向してきた対向の乗用車と衝突 
被害者は左手首関節の機能障害 12級 膝関節障害14級 併合12級
(東京地裁管内)

認められた主な損害費目

逸失利益 約1,050万円
休業損害 約370万円
傷害慰謝料 約260万円
後遺障害慰謝料 約290万円
その他 約260万円
損害額
約2,230万円
過失10%控除後損害額 約2,010万円
調整金※ 約140万円
総計
約2,150万円
既払控除(自賠責)
▲約220万円
既払控除(任意保険) ▲約180万円
最終金額 約1,750万円

※弁護士費用及び遅延損害金相当額

詳細

本件の原告は、板前として店に住み込みで働いていました。住み込みの場合、住居費や食費等も収入の一部と見られるため、まず第一に、逸失利益の基礎収入をどうとらえるかが問題になりました。相手側は実収入が少ないことを理由に、中卒の平均賃金430万円よりもさらに低い金額で計算すべきだと主張しましたが、我々は板前という職業柄、手首の機能障害は今後の仕事に大変深刻な影響を与えることを丁寧に立証した上で、男性の平均賃金530万円を使うべきだと反論しました。

その結果、裁判所は中卒の平均賃金で計算したものの、障害等級が12級でありながら就労可能期間42年間分全ての休業損害を認めたのです。12級の場合は、10年から12年しか認めないのが一般的なので、この点については大変評価されるべきでしょう。 さらに慰謝料も、傷害と後遺症合計で550万円という高額が認められました。過失についても、相手の20%主張に対し、我々はあくまでもゼロを主張。その結果、裁判所は10%と判断しました。 (東京地裁管内 和解)

増額のポイント

通常、12級の障害の場合、示談交渉では総額で7~800万円という提案がなされる場合が多いが、本件では訴訟にした結果、総額2,000万円(自賠責込)という極めて高額の賠償金が獲得できた。等級的には軽く見られがちな障害でも、それぞれの仕事に及ぼす影響の大きさを丁寧に立証することで、こうした高額が認められることもある。十分な評価をされるべき和解だと考えている。

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