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高次脳機能障害

高次脳2級女性、常時介護必要な程度に症状が重篤であること、鎖骨変形12級障害併存を指摘し1級相当の慰謝料・介護料を獲得した例

具体的な障害の程度と介護の必要性を立証し自賠責の等級以上の賠償額を獲得

■高次脳機能障害(判例97)
■後遺障害等級:1級 確定年:2010年 和解
■さいたま地裁管内

被害者データ 68歳 ・女性 (主婦)
受傷時68歳・症状固定時71歳・女性(主婦)
信号機のない交差点を自転車押して横断していた被害者が右方から走行してきた加害車両に衝突された
高次脳機能障害第2級、右鎖骨奇形障害12級

認められた主な損害費目

将来付添費用 約4,080万円

休業損害

約840万円

逸失利益

約1,980万円

傷害慰謝料

約310万円

後遺障害慰謝料

約2,660万円

近親者固有慰謝料

約300万円

その他

約630万円

損害額

約1億800万円

過失相殺(3割)

-約3,240万円

既払控除(自賠責)

-約3,000万円

調整金(※2)

約940万円

最終金額

約5,500万

※1 訴外で獲得した自賠責保険金約3,000万円と人身傷害保険金約2,250万円を併せて総獲得総額は、約1億750万円となる。
※2 弁護士費用及び遅延損害金相当額

詳細

加害者の主張

① 高次脳機能障害2級が認定されているので、後遺障害慰謝料は2,370万円の限度である。
② 被害者が急に自転車で道路に飛び出してきたものであり40%の過失がある。

裁判所の判断

① 被害者には、高次脳機能障害以外にも鎖骨奇形障害が残存しており、この点に何らの賠償も認められないとすることは自賠責の制度趣旨にも反し不相当であり、後遺障害等級1級相当の慰謝料額が認められるべきだと主張した。その結果、裁判所和解案においても、高次脳機能障害2級の2,370万円だけではなく、鎖骨奇形障害12級の290万円を加えた2,660万円の後遺障害慰謝料が認定された。
② また将来介護費用についても、被害者の具体的な障害の程度と介護の必要性を立証し、随時介護ではなく常時介護が必要な状態であると主張した。近親者介護費日額6,500円、職業介護費日額1万2,000円と1級相当の介護費用が認定された。
③ 過失については、被告の供述が信用できないことを刑事記録に基づき立証し、裁判所和解案でも被害者の過失は30%にとどめられた。
④訴外で獲得した自賠責保険金、人身傷害保険金を併せて最終的な解決金額は約1億750万円となった。

当事務所のコメント

① 自賠責における等級認定上は、「介護を要する後遺障害」である高次脳機能障害等が認定された場合、それ以外の後遺障害が残存していても等級の繰り上げ(併合)が行われない運用となっています。しかしながら訴訟においては、自賠責の出した等級認定結果にそのまま従うのではなく、実際に残存した後遺障害の内容・程度に応じて適正な賠償額を獲得できるように立証を行うことが重要となります。本件において当事務所は、原告の障害の程度が重く、日常生活のほとんどのことを単身では行えず、常時看視と常時声掛けが必要であること等を具体的に立証し、また鎖骨奇形障害12級も残存していることを指摘して、実質的には1級相当の介護料と慰謝料額を獲得することができました。
② 過失についても、刑事記録を精査し、加害者の主張を弾劾することで適正な認定に繋がりました。

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