受傷時42歳の会社員・高次脳1級の高額解決事案(総額約2億7,500万円)
裁判で自賠責の後遺障害等級認定を覆す
■後遺障害等級:1級 確定年:2012年 和解
■名古屋地方裁判所管轄内
被害者データ
42歳
・男性
(会社員)
男性 会社員 受傷時42歳 症状固定時44歳
信号機のない交差点における直進車同士の事故(被害者原付バイク、加害者車)
高次脳機能障害1級、視力・視野障害3級等
認められた主な損害費目
付添看護費 |
約500万円 |
---|---|
休業損害 |
約1,890万円 |
傷害慰謝料 |
337万円 |
逸失利益 |
約1億2,950万円 |
将来介護料 |
約6,900万円 |
住宅改造費その他福祉器具代 |
約1,500万円 |
後遺障害慰謝料 |
2,900万円 |
近親者慰謝料 |
700万円 |
その他 |
約500万円 |
損害額 |
約2億8,150万円 |
既払金控除 |
-約2,050万円 |
*1)調整金 |
約2,500万円 |
最終金額 |
約2億7,500万円 |
*1)調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当
*2)総額約2億7,500万円を獲得した。
詳細
加害者の主張
①本件は直進車同士の出会い頭事故であるから、原告にも少なからず過失が認められる。
②視力・視野障害については、自賠責の等級認定において事故との因果関係が否定されており、本件事故による後遺障害とは認められない。
③本件事故時、原告の脳に直接のダメージはなく、後遺障害として高次脳機能障害は認められない。
④原告は、入院中の日常生活動作が自立しており、将来介護料は認められない。
裁判所の判断
①被告側に一時停止義務違反、歩行者専用規制時間中に通行という事情があることを考慮すると、原告に過失があったと認めることはできない。
②原告は、事故によって多発骨折等に伴う出血性ショックが生じた。それに伴って、低酸素脳症、虚血性視神経症が発生したと認められる。したがって、視力・視野障害、高次脳機能障害はいずれも事故と因果関係がある後遺障害である。
③原告の後遺障害は、高次脳機能障害1級に加えて、重篤な視力・視野障害が生じており、その将来介護料は近親者介護日額1万円、職業介護日額2万円とするのが相当である。
当事務所のコメント/ポイント
本件は、ほぼ原告の主張どおりに認められた全面的勝訴の高額和解となった。
特に、自賠責の等級認定において事故との因果関係が否定された視力・視野障害について、カルテを分析し、医学的見地から事故との関係を立証した結果、裁判所が事故との因果関係を認めた。当事務所は、交通事故、殊に重度後遺障害の案件を数多く取り扱っており、カルテの分析等、交通事故訴訟内における医療分野の訴訟を得意としており、その力が発揮された事案と言える。
また,将来介護料が,近親者介護日額1万円、職業介護日額2万円で認められた点も特筆すべき点である。