19歳フリーターに、高額な休業損害・逸失利益を認めた例
将来、取得が予想される賃金をもとにした逸失利益が認められる
■重度脊髄損傷(判例001)
■後遺障害等級:1級 確定年:2004年
裁判所認定額 約2億3,600万円
■さいたま地裁(旧浦和地裁)
■後遺障害等級:1級 確定年:2004年
裁判所認定額 約2億3,600万円
■さいたま地裁(旧浦和地裁)
被害者データ
19歳
・男性
単独事故の助手席に同乗していた
排他障害・両下肢麻痺他1級
(埼玉・さいたま地裁管内)
認められた主な損害費目
逸失利益 就労可能期間を全年齢平均賃金で計算 |
約1億円 |
---|---|
将来介護料 母親67歳まで日額6,500円 以降日額1万7,000円 |
約6,600万円 |
介護雑費 (月額6万5,000円) |
約1,500万円 |
家屋購入差額 | 約600万円 |
車椅子代 1台あたり103万9,500円の5年ごと買替 |
約450万円 |
慰謝料 | 約3,450万円 |
その他 | 約1,000万円 |
計 | 約2億3,600万円 |
過失相殺▲30%
詳細
助手席に同乗中の自損事故で、脊髄損傷(1級3号/腰から下が麻痺)の後遺障害を負った19歳男性のケース。この被害者は高校中退後、フリーターをしており、逸失利益をどう見るかが争点となりましたが、事故の直後には工務店に就職が決まっており、本人の勤労意欲もあったことなどを積極的に主張。その結果、全年齢平均賃金の567万円が認められました。
また、判決では「発熱、下痢の症状をしばしば起こすことが認められ、たとえ上肢機能に異常がないとしても、継続的に就労することは極めて困難であるというべきである」として、労働能力喪失率についても100%認められました。
その他、バリアフリーマンションへの買い替え差額も、1,838万円のうち600万円を、また、介護雑費も月額6万5,000円が認められるなど、各費目で緻密な立証をおこなったことが高額賠償につながったといえるでしょう。 (埼玉・さいたま地裁管内)
休業損害・逸失利益が認められた理由
※認定額増加のポイント
逸失利益が、全年齢平均賃金をもとに認められた。
バリアフリーマンションへの買い替え差額が一部認められた。
介護料は被害者の母親が67歳までは日額6,500円、以降は職業介護人の日額1万7,000円を認められた。
領収書をこまめに保存し、的確な立証をしたことで、月額6万5,000円の介護雑費が認められた。