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死亡事故

60代主婦の死亡事件で訴訟上の和解と人身傷害保険金併せて5,000万円の賠償金を獲得した事案

訴訟前に受領した人身傷害保険金の充当方法について被害者の過失部分からの充当方法を争われるも当方の主張どおり認められた事例

■死亡事故(判例018)
■確定年:2012年 和解
■一審 名古屋地裁関内 二審 名古屋高等裁判所 

被害者データ 65歳 ・女性 (主婦)
死亡時65歳 女性(主婦)
自転車で道路横断中の被害者に直進加害車両が衝突したもの
死亡

認められた主な損害費目

逸失利益(家事)

約1,350万円

逸失利益(年金)

約450万円

死亡慰謝料

約2,000万円

その他

約200万円

本人損害総額

4,000万円

過失相殺(3割)

-約1,200万円

損害填補(人身傷害保険金)(※2)

-約1,350万円

近親者固有慰謝料

約280万円

調整金(※1)

約770万円

総合計額

2,500万円

※1遅延損害金及び弁護士費用相当額を含む
※2訴外獲得の人身傷害保険金約2,550万円と合わせて、約5,050万円での解決となった。人身傷害保険金については、被害者側の過失部分(約1,200万円)から充当することになるので、損害額からは過失部分を超過する約1,350万円を控除している。

詳細

第一審判決の判断

本件は地裁判決を得ており、第一審の判決では、被害者の過失相殺率は20%と認定され、被告車両速度は時速70kmと相当速度超過があったことが認定されている。また、人身傷害保険金の充当方法については、被害者の自己過失部分(2割部分)からの充当であり、過失分を充当して残ったものを過失相殺後の賠償額から控除すべきであるとの考え方を採用したものであった。

加害者の主張

上記判決に対して、
①専門家の鑑定書および目撃者供述からすれば被告の速度は時速70kmも出ておらず、せいぜい時速50~60kmであったとして、4割の過失相殺を主張した。
②人身傷害保険金の充当方法を争った。

高等裁判所の判断

①当方からは第一審から引き続き、被告側の鑑定書について速度計算の根拠としているデータや推認の方法が不合理であり信用性を欠いていることを緻密に立証した。その結果、高等裁判所の和解案でも、被告の時速40~50kmであったとの主張は否定され、過失相殺率についても3割の限度に留められた。
②人身傷害保険金の充当方法についても、東京地裁、大阪地裁、名古屋地裁といった交通専門部が被害者側の過失部分からの充当を採用している理由やその合理性について詳細に主張した結果、第一審と同様の充当方法が認められ、被告主張は排斥されている。

当事務所のコメント

①車両の速度が問題となる事案では、相手方からも工学鑑定士などによる車両の速度計算を行った鑑定書が提出される場合があります。しかしながら、相手方の鑑定書は、相手にとって有利となるような計算方法や前提条件に基づいていることが多くあります。当事務所では、多くの交通事故損害賠償訴訟を解決してきた豊富な経験があります。本件でも、的確に鑑定書の問題点を指摘することで相手の主張を斥けることができました。
②被害者の方やご家族にとっては、保険約款は非常に難解なものかと思われます。特に、人身傷害保険金は保険会社によっても賠償との調整内容が異なるところです。本件では、所謂「訴訟基準差額説」が採用されるべきことを丁寧に立証し、裁判所が認めた損害総額に対して、まずは人身傷害保険金が被害者の過失部分から充当され、過失部分を超えるものだけが、加害者賠償額から損害填補として控除されるべきという当方の主張が、第一審判決、高裁における和解案のいずれにおいても採用されました。

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